腸内細菌は新時代へ バイオジェニックス
2014.11.20更新
皆様
すっかり寒くなりましたが、体調はいかがですか?
今回は、人体最大の免疫器官とも言われている、『腸』のお話をいたします。
新時代!? バイオジェニックスとは?
バイオジェニックスとは、体全体に作用することで、腸内の免疫機能(腸管免疫)を刺激したり、コレステロール・血糖・血圧を安定させたり、活性酸素を減らしたりすることで、生活習慣病や老化を防止する食品
と、まあいきなり言われても というかんじですが、
腸に良いと言われている、乳酸菌
では、なぜよいの どう良いの
1加齢とともに善玉菌は減少する。腸は人体最大の免疫器官である。体全体の免疫細胞の7割もが小腸に集中している。
2腸内環境が悪玉菌優位を続けると、さまざまな病気引き起こす。有名なものはガン、肥満、認知症であるが、その他、うつ病やアルツハイマー病も腸内細菌に関係あると言われている。
3腸が元気であれば病気知らずで、若さを保つことが出来る。また、腸内の乳酸菌は腸内細菌叢を改善する力がある。
4腸内細菌の数は約1000兆個。腸内細菌の種類は「善玉菌」、「悪玉菌」、「日和見菌」の3種類がある。
5「生きて腸に届くから効果あり」は誤りだった! 100年前からメチニコフは「生菌」「死菌」のどちらでも腸内で「善玉菌」を増やすと指摘していた。
6メチニコフはヨーグルト「不老長寿説」を100年前に説いた。そして、マウスを使った実験で乳酸菌を加熱殺菌して「死菌」として与えても、「生菌」の場合と同じように生育し、なかには成育状態がさらに向上し、糞便中の腐敗菌の菌数が低いケースもあった。このようなことから、腸内腐敗を抑えるのは乳酸菌そのものではなく、乳酸菌生産物質であると論じた。
7気管支喘息やアトピー性皮膚炎のアレルギーは、腸内環境を改善することで減弱することが判明した。
8乳酸菌はバイオジェニックスの時代へ進化している。バイオジェニックスとは乳酸菌の分泌物と菌体成分をエキス化したものである。そのエキス化したものは、腸内の悪玉菌の増殖を抑制し、かつ乳酸菌を増やす働きがある。
9100年前にメチニコフが指摘していた乳酸菌生産物質は、実はバイオジェニックスであった。よって、今では多くの乳酸菌メーカーが「生菌」から「死菌」へシフトしている。
10バイオジェニックスとは、光岡知足先生が新たに提唱した言葉であり、意味するものは「体全体に直接作用し、腸内の免疫機能(腸管免疫)を刺激したり、コレステロール・血糖・血圧を安定させたり、活性酸素を減らしたりすることで、生活習慣病や老化を防止する食品成分の総称」である。
11そして、乳酸菌生産物質こそが、バイオジェニックスである。この乳酸菌生産物質なるものは、免疫力アップ、抗ガン、抗アレルギーetcに驚くべき効果を発揮する。
12今日では、乳酸菌類は以下の3つに分けられる。
1)プロバイオティクス→プロバイオティクスは、「腸内フローラのバランスを整え、健康に有利に働く生きた細菌や酵母」と定義され、具体的にはビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌などの生きた菌を含んだ食品や製剤を指します。ヨーグルト、植物性由来の乳酸菌(醸造乳酸菌)から作られたぬか漬け、味噌、キムチ、納豆菌から作られる納豆なども含まれます。
2)プレバイオティクス→プレバイオティクスは「大腸に棲みついている善玉菌(ビフィズス菌)の増殖を促し、腸内フローラのバランスを整える難消化性の食物繊維やオリゴ糖を含んだ食品」が該当します。
3)バイオジェニックス→10番の繰り返しとなりますが、日本を代表する腸内細菌の研究者である東京大学の光岡知足名誉教授が新たに提案している概念で、「体全体に作用することで、腸内の免疫機能(腸管免疫)を刺激したり、コレステロール・血糖・血圧を安定させたり、活性酸素を減らしたりすることで、生活習慣病や老化を防止する食品」のことを指しています。
1310億~100億~1000億から「兆」の時代へ。今では世界のトップレベルになった日本の乳酸菌だが、歴史を振り返ると1990年代に森下仁丹etcが発売していたビフィズス菌製剤は1袋に菌が10億程度であった。それが、最近では1袋に菌が「兆」を超えるものも出現してきた。
14病気の原因としてストレスが関係しているものが多いが、ストレス解消にはセロトニンという神経伝達物質の活性化が重要である。セロトニンは実は腸内で95%が作られている。うつ病の原因はセロトニン不足であることが分かっている。今まで、うつがなかなか改善されないのは脳ばかり治療していたせいであった。具体例として九州大学医学部の須藤信行教授らは、「10年来まったく改善されなかったうつ病が、腸内環境を改善することによりわずか数ヶ月で劇的に改善した症例。」を報告している。